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当院における褥瘡対策

褥瘡の原因

褥瘡とは、自動運動の低下、運動麻痺、知覚障がい、関節拘 縮などが原因となって、骨が突出した部位などの身体の一部に持続的な圧迫が加わる ことにより、皮膚や深部組織の血行が阻害されて生じます。 全身状態の悪化や失禁や発汗により皮膚の状態が悪くな る(不潔で湿潤した状態)と褥瘡が発生しやすくなります。

褥瘡予防

 ①除圧

体圧分散マットレスを使用し、適宜(2、3時間ごと) 体位変換を行います。身体の変形や拘縮の強い患者様には、ポジシ ョニングピローを用います。

 ②摩擦とずれの防止

摩擦 : やせや変形、拘縮があると体位変換や移動の際に背 部や仙骨部や踵部などの身体の突出した部分が衣類やシー ツと擦れて表皮剥離が起き、褥瘡ができやすくなるので、患 者さんを動かすときには複数の介助者で身体がベッドに擦らないように体位 変換します。
ずれ : ギャッジアップしていると身体がずれ落ちてきます。 このとき皮膚の表面に平行な力が加わり、褥瘡ができやすくな ります。ずれを最小限度にするには、ギャッジアップを30度ま でに留めます。

 ③スキンケア

清拭 : 身体の清潔を保ちます。タオルで必要以上に擦らないよう にします。
入浴 : 入浴やシャワー浴は皮膚を清潔に保ち、血行をよくす ることでも重要です。褥瘡が発生した後でも、入浴、シャワー浴 を行い、その後褥瘡処置を行います。
失禁対策 : 失禁で皮膚が絶えず濡れたり、汚染していると褥 瘡が発生しやすくなります。常に清潔に保つようにします。
褥瘡の治療

褥瘡の深さ、創面の色調(黒色期、黄色期、赤色期、白色 期かどうか)、日常生活自立度(J1からC2まで)を判定し各種薬剤 を使用、適宜デブリードメント(掻把)を行います。早期治癒、再発予防 を目的に手術(筋皮弁など)を行うこともあります。

【症例】
93歳、女性。日常生活自立度:C2(自力で寝返り を打つことができず、1日中ベッドで、排泄、食事、着替え に介助が必要)。脳梗塞、大腿骨頚部骨折のため寝たきりと なり、褥瘡が発生しました。  
1)治療開始時、仙骨部に5㎝X5㎝の褥瘡を認めていました。  
2)2ヶ月の時点で、上皮化を促進する作用のある軟膏を使用しました。  
3)5ヶ月後、褥瘡は2㎝X1㎝に縮小しました。  
4)7ヵ月後には治癒の状態となりました。

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